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バレンタインデーのしょっぱい思い出

逆バレンタインデーなる日の存在を知ったとき、男性って大変ね……と同情を禁じ得なかった。

逆バレンタインデーはメンズバレンタインデーとも言うそうで(9月14日なんですって)、男性から女性に愛の告白をしましょうという日らしい。
しかもチョコレートとかキャンディーとかじゃなくて、下着を贈るそうな。
恋人でもなんでもない男性から唐突にセクシーな下着を贈られて求愛されても、ドン引きするよりほかにないのだが。

そもそも、日本ではホワイトデーなる習慣がおおよそ浸透しているのに、さらに男性から女性にプレゼント攻勢をしかけようとは強欲過ぎやせんか。
律儀にホワイトデーを実践している男性が、パートナーから更に逆バレンタインデーまで要求されて、大して興味もないのにヴィクトリアズシークレットのサイトを徘徊する羽目になるのかと想像すると「男性って大変ね……」としか思えない。

幸いにして逆バレンタインデーは浸透している気配がさっぱりないので、男性諸兄のためにこのまま認知度が低空飛行することを祈る。

 


それにしても、バレンタインデーやホワイトデーなる習慣も、どうなんでしょうね。
若い男女の恋愛成就に貢献しているとも思えないのだけど。

一応、昭和の頃は、バレンタインデーは「女の子から告白していい年に一度の日☆」みたいな機能が活きていた記憶がある。

当時はまだ「女子から好きって言うなんて恥ずかしい~」だの「女は求愛されてなんぼ」みたいな価値観が残っていて、バレンタインはそれを覆すチャンスだったのだ。

バレンタインデーが2月ってのは、日本の学生には親和性が高い。
4月にクラス替えをして、そのクラスの中に気になる男の子がいて、体育祭とか文化祭とかで距離が縮まって、学年が上がる(あるいは進学する)前のバレンタインデーには「もう毎日会えなくなっちゃうから告白しちゃおー」てな流れになる。
そこで恋が成就しようが破れようが、盛りのついた10代なんて翌年度になると別の気になる男の子ができる。んでまた同じような1年を過ごして、またバレンタインデーの頃になると「どのチョコにしようか」なんて同じような悩みを抱えるのだ。

でも今は男女問わずカジュアルに「告る」のが当たり前だし、そもそも恋愛に興味関心のないコも多い。
そしてこれじゃバレンタイン市場がジリ貧だと焦ったお菓子業界は、友チョコだの自分チョコだのに舵を切った。

それなのに、いまだに義理チョコを贈られホワイトデーを強要される男性。
嗚呼哀れなるかな。

 


昔、バレンタインデーに非常に熱心な職場に勤めていたことがある。

年賀状だのお歳暮だの虚礼は廃止しようぜーという世の流れに逆らって、なんて昭和っぽい職場なんだろうといっそ清々しさすら感じた。
というのはもちろん嫌味です。面倒くさいことこの上なかった。

女性陣から男性陣にまとめてチョコを贈るので、女子からはいくらかを徴収する。そこまではいい。
んで幹事がテキトーにお菓子を選んで買ってくれりゃいいんだけど、ヘタなお菓子を選ぶと女子達がうるさい。

どこでも買えるモノはNG。
新作や限定品や入手困難なモノの方が好ましい。
だからといって美味しくないのはダメ。
切り分ける手間が発生するのは論外。
賞味期限が短いのも話にならない。
見た目も良くないといけない。
もちろん予算内に収めるべし。

他人に、しかも職場の義理チョコなんてどうでもいいじゃん…と思うのだが、女子は自分達も食べるのでそれはそれは気合が入るのね。
ひどいとどのお菓子にするかを巡ってバトルが勃発したりして、まったくもって面倒くさかった。

気の毒なのは男性陣だ。
彼らは「義理チョコなんてブラックサンダーで充分だよ」と思っているのに勝手にオシャレでレア度の高いチョコを贈られて、しかもホワイトデーには同じクオリティのお菓子をどっさり返さなきゃいけないのだ。
気の毒過ぎて涙がちょちょ切れる。

しかも女子達ときたら容赦がなくて、日頃お菓子に興味関心のない男性陣が精一杯悩んでホワイトデーに買ったお菓子がつまんないモノだと「だっさー」という評価を下す。
逆に女子のニーズを上手いこと掴んで高クオリティなお菓子を用意すると「アイツやるじゃん!」と株が鰻上りになるのでチョロいと言えばチョロいんだけど、たかが義理の贈答にそこまで気を回さなきゃいけないのはやっぱり気の毒だ。

 

今の職場は「バレンタインデー? 何それ」状態なので、非常にありがたい。

いっそのこと、男女関係なくチョコ好きの人達が勝手に盛り上がる日ってことにしちゃえばいいのにね。
チョコに興味のない人を巻き込むのは禁止ってことで。

 

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